「のどの痛みがつらい」風邪におすすめな市販薬3選

2019/01/12

風邪

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鼻水、咳、熱、のどの痛み・・・
風邪の症状にはいろいろあって、つらいですよね。
今回はとくに「のどの痛み」の症状がつらい風邪をひいてしまったときの、市販薬の選び方について書いています。


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市販の風邪薬に入っている成分


風邪をひいて病院を受診したときに処方されるお薬というのは、「ひとつの症状」に対して「ひとつの薬」が処方されることが多いです。また、処方されるお薬の場合、多くの場合「ひとつの薬」に「ひとつの成分」が入っていることが多いので(例外もあり)、複数の症状を抱えている場合、複数のお薬を飲む必要があります。

一方で、市販薬というのは、「ひとつの薬」に「ひとつの成分」しか入っていないことはまれで、多くの場合、「ひとつの薬」に「いくつかの成分」が入っています。風邪薬もそのいい例で、入っている成分には、


  • 解熱鎮痛成分
  • 鼻水を和らげる成分
  • 咳を和らげる成分
  • 痰を和らげる成分
  • 風邪のときに消耗するビタミンを補う成分
  • ほかの成分のはたらきを助ける成分

などがあります。たくさんありますね。市販薬の場合、複数の成分がひとつの製品としてまとまっているので、複数の症状があっても1種類の薬を飲めばいいというメリットがあります。



のどの痛みに効く成分を見分けるポイント


では、「のどの痛みを和らげる成分」には具体的にどんなものがあるのか、見ていきたいと思います。

解熱鎮痛成分

その名のとおり、痛みを和らげ、熱を下げる作用があります。
市販の風邪薬によく使われている解熱鎮痛成分には、「アセトアミノフェン」と「イブプロフェン」があります。そのほか、「エテンザミド」「アスピリン」「イソプロピルアンチピリン」などを含む製品もありますが、前者に比べると種類はとても少ないです。

「アセトアミノフェン」は病院から処方される「カロナール」に含まれる成分です。お子さまから高齢の方までよく使われている成分です。痛みを和らげ、熱を下げる作用がありますが、炎症を和らげる作用はほとんどないとされています。

「イブプロフェン」は病院から処方される「ブルフェン」に含まれる成分です。市販の風邪薬に含まれる場合、15歳以上という年齢制限があります。 痛みを和らげ、熱を下げる作用のほか、炎症を和らげる抗炎症作用もあります。

抗炎症成分

解熱鎮痛成分のほか、のどの炎症を和らげる抗炎症成分が追加されている製品も存在します。
抗炎症成分として、具体的には「トラネキサム酸」や「グリチルリチン酸」などがあります。

「トラネキサム酸」は病院から処方される「トランサミン」に含まれる成分です。のどの痛み、腫れ、赤味などを和らげる抗炎症作用のほか、抗アレルギー作用や抗出血作用を持つとされています。

「グリチルリチン酸」は、単体で含まれる処方薬はありませんが、ほかの成分とともに「グリチロン配合錠」などに含まれます。


よって、市販の風邪薬のなかから、とくにのどの痛みに効果のある製品を選ぶポイントとしては、

①解熱鎮痛成分として、抗炎症作用のある「イブプロフェン」を最大量含む
②+αの抗炎症成分として「トラネキサム酸」などを含む

の2点に注目してみます。
ただ、これはとくに注意すべき体質のない大人の方に限った選び方になります。お子さまの場合や、胃が弱い方の場合など、イブプロフェンをさけたほうがいい場合がありますので、その際は店頭の登録販売者や薬剤師にご相談ください。





のどの痛みがつらい風邪におすすめな市販薬3選


上記のポイントをもとに、個人的におすすめな市販薬を3種類ご紹介します。
いろいろ書きましたが、店頭で選ぶ際には、パッケージを見ていただくと、とくにつらい症状が大きく書かれていることが多いので、それをもとに選んでいただくのもいいかと思います。

①コルゲンコーワIB錠TXα/興和


【成分・1日あたり分量】
  • イブプロフェン 600mg(解熱鎮痛作用)
  • トラネキサム酸 750mg(炎症を和らげる)
  • アンブロキソール塩酸塩 45mg(痰を和らげる)
  • d-クロルフェニラミンマレイン酸塩 3.5mg(鼻水、くしゃみ、鼻づまりを和らげる)
  • ジヒドロコデインリン酸塩 24mg(咳を和らげる)
  • dl-メチルエフェドリン塩酸塩 60mg(気管支を拡げ、咳を和らげる)
  • 無水カフェイン 75mg(解熱鎮痛成分のはたらきを助ける)

 【効能・効果】
かぜの諸症状(のどの痛み、発熱、悪寒、頭痛、せき、たん、鼻水、鼻づまり、くしゃみ、関節の痛み、筋肉の痛み)の緩和

【ポイント】
  • 2017年10月に新発売された製品です。市販されている風邪薬に含まれるイブプロフェン最大量である、1日あたり600mg配合。 
  • 炎症や痛みのもとであるプロスタグランジンにはたらき、のどの痛み・腫れを和らげる「イブプロフェン」と、炎症のもとであるプラスミンを抑えることで、のどの痛み・腫れを和らげる「トラネキサム酸」という、作用機序の異なる成分を合わせたことで、のどの痛みに効果的となっている。
  • 1日3回、1回3錠服用。




②パブロンエースPro錠・微粒/大正製薬


【成分・1日あたり分量】
  • イブプロフェン 600mg(解熱鎮痛作用)
  • L-カルボシステイン 750mg(気道粘液・粘膜を正常な状態に近づける)
  • アンブロキソール塩酸塩 45mg(痰を和らげる)
  • ジヒドロコデインリン酸塩 24mg(咳を和らげる)
  • dl-メチルエフェドリン塩酸塩 60mg(気管支を拡げ、咳を和らげる)
  • クロルフェニラミンマレイン酸塩 7.5mg(鼻水、くしゃみ、鼻づまりを和らげる)
  • リボフラビン(ビタミンB2) 12mg(風邪のときに消耗しやすいビタミンを補う)

【効能・効果】
かぜの諸症状(のどの痛み、せき、たん、鼻水、鼻づまり、くしゃみ、発熱、悪寒、頭痛、関節の痛み、筋肉の痛み)の緩和

【ポイント】
  • 2017年9月に新発売された製品です。市販されている風邪薬に含まれるイブプロフェン最大量である、1日あたり600mg配合。
  • 「気道粘膜バリアを清浄化するアンブロキソール塩酸塩と、気道粘膜バリアを修復するL-カルボシステイン」という2つの成分の組合せは、大正製薬のパブロンシリーズに特徴的です。病院から処方される「ムコダイン」+「ムコソルバン」の組合せと同じです。これらを組み合わせることで、痰のすべりをよくして出しやすくし、効果的に気道粘膜を正常な状態に戻すことができます。そのため、トラネキサム酸は含みませんが、結果的にのどの痛みを和らげる効果が期待できます。
  • ちなみに、同時期に発売されたパブロンメディカルシリーズは、「のど」「せき」「はな」の症状に合わせて選べる風邪薬シリーズですが、「のど」風邪におすすめとされている「パブロンメディカルT」よりも、こちらの「パブロンエースPro」のほうが、イブプロフェンが多く含まれるので、効果を重視されるのならこちらのほうがいいと思います。 
  • 1日3回、1回3錠服用。




③ルルアタックEX/第一三共ヘルスケア


【成分・1日あたり分量】
  • トラネキサム酸 750mg(炎症を和らげる)
  • イブプロフェン 450mg(解熱鎮痛作用)
  • クレマスチンフマル酸塩 1.34mg(アレルギー症状を持続的に抑える)
  • ブロムヘキシン塩酸塩 12mg(痰を和らげる)
  • dl-メチルエフェドリン塩酸塩 60mg(気管支を拡げ、咳を和らげる)
  • ジヒドロコデインリン酸塩 24mg(咳を和らげる)
  • チアミン硝化物(ビタミンB1硝酸塩) 25mg(風邪によって消耗した体力の回復を促す)
  • リボフラビン(ビタミンB2) 12mg(のどや鼻などの粘膜を健康に保つ)

【効能・効果】
かぜの諸症状(のどの痛み、発熱、悪寒、頭痛、鼻水、鼻づまり、くしゃみ、せき、たん、関節の痛み、筋肉の痛み)の緩和

【ポイント】
  • ルルアタックシリーズのなかで、とくにのどの痛い風邪におすすめとされている製品です。トラネキサム酸とイブプロフェンを両方含むことから、上記の「コルゲンコーワIB錠TXα」や「パブロンエースPro」が発売される前は、もっぱらこちらの製品をおすすめしていました。
  • 効果もほしいけど、イブプロフェンが多すぎると胃が痛くなりそうで心配・・・という方には、おすすめです。
  • 1日3回、1回2錠服用。




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