「鼻水がつらい」風邪におすすめな市販薬3選

2018/12/04

鼻炎 風邪

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鼻水、咳、熱、のどの痛み・・・
風邪の症状にはいろいろあって、つらいですよね。
今回はとくに「鼻水」の症状がつらい風邪をひいてしまったときの、市販薬の選び方について書いています。



市販の風邪薬の選び方


寒くなってくると、ドラッグストアの店頭で「風邪薬をください」と声をかけられることが多いです。そんなときに、まずお伺いするのは、「どんな症状が一番おつらいですか?」ということです。

というのも、ドラッグストアで取り扱いのある市販の風邪薬というのは、何十種類もあるんです。世の中に存在する風邪薬はもっと多くて、飲み薬だけでも900種類近くあります。なので、お客さまの症状や要望などから、その方に合ったお薬を絞っていく必要があります。

接客する側の人間によって、絞り方はいろいろだと思いますが、私の場合は、まず「一番つらい症状」によってある程度製品を絞り込み、その後「カプセルと錠剤どちらがいいですか?」「1日2回のタイプと1日3回のタイプとどちらがいいですか?」などの要望を伺ったり、副作用的な問題をお伝えしたりして、最終的に絞り込んだ2~3種類の製品からお客さまご自身に選びとっていただくような流れで、接客するようにしています。

今回は、お客さまから「鼻水」などの鼻症状がつらいと訴えがあったときに、私がおすすめしている市販の風邪薬について、ご紹介したいと思います。

ちなみに、本当に鼻水だけがつらくて、咳や熱、のどの痛みなど、そのほかの症状が何もなければ、風邪薬ではなく鼻炎薬を選ぶという手もあります。つらい症状が2つ以上あるときは風邪薬のほうがいいかと思いますので、そういったことも選ぶポイントにしていただければと思います。



市販の風邪薬に入っている成分


風邪をひいて、病院を受診したときに処方されるお薬というのは、たとえば

咳があれば、咳止め薬
鼻水があれば、鼻水を和らげる薬
熱や痛みがあれば、解熱鎮痛薬
呼吸が苦しければ、気管支を広げる薬

といったように、「ひとつの症状」に対して「ひとつの薬」が処方されることが多いです。これは大体において、処方薬というのは「ひとつの薬」に「ひとつの成分」が入っているためです(例外として、「配合薬」といって、いくつかの成分がひとつの薬のなかに配合されているものもあります)。そのため、咳、鼻水、熱がある人は3種類の薬が処方される、といったイメージになります。

一方で、市販薬というのは、ひとつの製品にひとつの成分しか入っていないことはまれで、多くの場合、ひとつの製品にいくつかの成分が入っていることが多いです。風邪薬もそのいい例で、入っている成分には、

  • 解熱鎮痛成分
  • 鼻水を和らげる成分
  • 咳を和らげる成分
  • 痰を和らげる成分
  • 風邪のときに消耗するビタミンを補う成分
  • ほかの成分のはたらきを助ける成分

などがあります。たくさんありますね。
たとえばこれらすべての成分を病院から処方されたとして、毎食後に6種類の薬を飲むのは大変ですが、市販薬の場合、6種類の成分がひとつにまとまっているので、1種類の薬を飲めばいいというメリットがあります。



鼻水に効く成分を見分けるポイント


では、上記の「鼻水を和らげる成分」には具体的にどんなものがあるのか、見ていきたいと思います。

抗ヒスタミン成分

アレルギーを抑えることで、鼻水、鼻づまり、くしゃみなどの鼻症状を和らげる作用があります。代表的な副作用として、眠気があります。

多くの市販の風邪薬に含まれている成分です。ただ、メーカーや製品によって、同じ抗ヒスタミン成分でも成分名の違いがあります。 もっとも多く使われているのはクロルフェニラミンマレイン酸塩でしょうか。抗ヒスタミン成分の違いによる効果の違いが気になって本で調べても、なかなか出てこなかったり、ほぼ同じといわれていたりするのですが、やはり成分によって、効き方に微妙な違いがあるな、という実感はあります。

抗コリン成分

副交感神経にはたらいて鼻汁の分泌を抑制し、鼻水を抑える作用があります。抗コリン成分は、鼻汁以外にもいろいろなものの分泌を抑えるので、代表的な副作用として、口の渇き、そのほか尿が出にくくなる、目のかすみ・まぶしさ、眼圧上昇、などがあります。

市販の風邪薬に含まれていることはややまれですが、多くの鼻炎薬には含まれている成分です。 よく使われている成分はベラドンナ総アルカロイドでしょうか。


よって、市販の風邪薬のなかから、とくに鼻水に効果のある製品を選ぶポイントとして、抗ヒスタミン成分だけではなく、抗コリン成分も含まれている製品を選ぶようにします。



鼻水がつらい風邪におすすめな市販薬3選


上記のポイントをもとに、個人的におすすめな市販薬を3種類ご紹介します。
いろいろ書きましたが、店頭で選ぶ際には、パッケージを見ていただくと、とくにつらい症状が大きく書かれていることが多いので、それをもとに選んでいただくのもいいかと思います。

①ストナジェルサイナス/佐藤製薬


【成分・1日当たり分量】
  • ベラドンナ総アルカロイド 0.3mg(抗コリン成分。副交感神経にはたらいて、鼻水を抑える)
  • ジフェニルピラリン塩酸塩 4mg (抗ヒスタミン成分。鼻水、鼻づまり、くしゃみなどを抑える)
  • アセトアミノフェン 900mg(解熱鎮痛成分)
  • dl-メチルエフェドリン塩酸塩 60mg(気管支を広げ、咳を和らげる)
  • ジヒドロコデインリン酸塩 24mg(咳を和らげる)
  • ノスカピン塩酸塩水和物 48mg(咳を和らげる)
  • グアイフェネシン 150mg(痰を和らげる)
  • 無水カフェイン 75mg(解熱鎮痛成分のはたらきを助ける)
  • リボフラビン/ビタミンB2 12mg(風邪のときに不足しがちなビタミンを補う)

【効能】
かぜの諸症状(鼻水、鼻づまり、くしゃみ、のどの痛み、せき、たん、悪寒(発熱によるさむけ)、発熱、頭痛、関節の痛み、筋肉の痛み)の緩和

【ポイント】
  • 1日3回服用。
  • 抗ヒスタミン成分として、ジフェニルピラリン塩酸塩が使われている。これはストナシリーズや、ほか数えるほどの製品にしか使われていない。
  • ソフトカプセルで飲みやすい。中身が液体になっている。


こちらのストナジェルサイナスは、マイナーチェンジをしながらも、私が学生だった頃からあったので、もう10年くらい存在しているかと思われます。

学生の頃、鼻水が止まらないのに授業やアルバイトに出ないといけないとき、頼りにしていたのがストナジェルサイナスでした。眠気の副作用はありますが、水のように流れていた鼻水がピタっと止まる切れの良さが好きで、愛用していました。その後、鼻水に効くというほかの製品もいくつか試してみましたが、いまに至るまで、ストナジェルサイナスに勝るものには出会えていません(あくまで個人的な感想です)。




②ルルアタックNX/第一三共ヘルスケア


【成分・1日あたり分量】
  • イブプロフェン 450mg(解熱鎮痛成分)
  • ベラドンナ総アルカロイド 0.3mg(抗コリン成分。副交感神経にはたらいて、鼻水を抑える)
  • クレマスチンフマル酸塩 1.34mg(抗ヒスタミン成分。鼻水、鼻づまり、くしゃみなどを抑える)
  • ブロムヘキシン塩酸塩 12mg(痰を和らげる)
  • ジヒドロコデインリン酸塩 24mg(咳を和らげる)
  • dl-メチルエフェドリン塩酸塩 60mg(気管支を広げ、咳を和らげる)
  • 無水カフェイン 75mg(頭痛を和らげる) 
  • ベンフォチアミン/ビタミンB1誘導体 25mg(風邪によって消耗した体力の回復を促す)
  • リボフラビン/ビタミンB2 12mg(鼻やのど等の粘膜を健康に保つ)

【効能】
かぜの諸症状(鼻水、鼻づまり、のどの痛み、せき、たん、発熱、悪寒、くしゃみ、頭痛、関節の痛み、筋肉の痛み)の緩和

【ポイント】
  • 1日3回服用。
  • 抗ヒスタミン成分として、 クレマスチンフマル酸塩を含む。これは持続性の抗ヒスタミン成分といわれており、鼻水などのアレルギー症状を持続的に抑えることができる。
  • 解熱鎮痛成分として、イブプロフェン使用。痛みや発熱の症状が強い方におすすめ。




③パブロンメディカルN/大正製薬


【成分・1日あたり分量】
  • 塩酸プソイドエフェドリン 135mg(血管収縮作用により、鼻粘膜の充血・晴れを抑制し、鼻づまりを改善する)
  • d-クロルフェニラミンマレイン酸塩 3.5mg(抗ヒスタミン成分。 鼻水、鼻づまり、くしゃみなどを抑える)
  • グリチルリチン酸二カリウム 40mg(炎症を抑え、鼻炎の症状を緩和する)
  • イブプロフェン 450mg(解熱鎮痛成分)
  • L-カルボシステイン 750mg(気道粘液・粘膜を正常な状態に近づける)
  • ジヒドロコデインリン酸塩 24mg(咳を和らげる)

【効能】
かぜの諸症状(鼻水、鼻づまり、くしゃみ、のどの痛み、せき、たん、悪寒(発熱によるさむけ)、発熱、頭痛、関節の痛み、筋肉の痛み)の緩和

【ポイント】
  • 1日3回服用。
  • 抗コリン成分は含まないが、塩酸プソイドエフェドリンを含む特徴がある。「流れるような鼻水」ではなく、「鼻づまり」がつらい方におすすめ。
  • 解熱鎮痛成分として、イブプロフェン使用。痛みや発熱の症状が強い方におすすめ。 
  • 痰を和らげる目的などで、病院から処方されることの多い「ムコダイン」と同じ成分、L-カルボシステインを含む。 






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