イソジンはNG? 妊娠中でも使えるうがい薬はどれ?

2019/01/10

妊娠 風邪

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妊娠中は飲み薬を飲むことに抵抗があるということで、ちょっとしたのどの痛みならばうがい薬のみで対処されるお客さまもいらっしゃいます。もちろん、妊娠中に風邪をひかないように、と予防のために購入される方もいます。

「妊娠中だけど、うがい薬のイソジンを使っても大丈夫?」
と質問を受けることもありますので、妊娠中にうがい薬を使う際に、注意すべきポイントについて、お話したいと思います。



市販されているうがい薬の種類


うがい薬の成分に着目してみると、大きく次の3種類に分けることができます。

①「ポビドンヨード」を含むうがい薬

有名な「イソジンうがい薬」などに含まれる成分です。ポビドンヨードがヨウ素を遊離し、細菌やウイルスなどに殺菌・消毒効果を発揮します。 効能・効果は「口腔内およびのどの殺菌・消毒・洗浄、口臭の除去」です。
病院から処方される医療用医薬品では、「イソジンガーグル液7%」や 「ポビドンヨードガーグル液7%「明治」」などがあります。

②「アズレンスルホン酸ナトリウム水和物」を含むうがい薬

「パブロンうがい薬AZ」や「浅田飴AZうがい薬」などに含まれる成分です。アズレンスルホン酸ナトリウム水和物には口腔内の粘膜に直接作用し、炎症を和らげる作用があります。そのため、効能・効果は「口腔・咽喉のはれ、口腔内の洗浄」です。イソジンのように、殺菌・消毒などの作用は記載されていません。
病院から処方される医療用医薬品では、「アズノールうがい液4%」などがあります。

③そのほかの成分を含むうがい薬

「新コルゲンコーワうがいぐすり」や「ルルうがい薬」のように、主成分として、ポビドンヨードもアズレンも含まないうがい薬が存在します。これらの製品に含まれる主な成分として、(製品によって異なりますが)殺菌・消毒作用のある「塩化セチルピリジニウム」や、炎症を和らげる作用のある「グリチルリチン酸二カリウム」、そのほか清涼感を与える成分があげられます。


成分ごとに作用の強さが異なるので一概にはいえませんが、簡単にまとめると、(妊娠中でない)一般のお客さまがうがい薬を選ぶポイントとしては、次のようになります。

  • 「しっかり予防したい」 → 殺菌・消毒作用のあるポビドンヨード
  • 「すでにある症状を和らげたい」 → 炎症を和らげるアズレン
  • 「殺菌効果も抗炎症効果もほしい」「日常的に使いたい」 → そのほか



妊娠中に注意すべきうがい薬の成分とは?


上記の
  • ポビドンヨード
  • アズレンスルホン酸ナトリウム水和物
  • そのほかの成分
を含むうがい薬の添付文書を確認すると、いずれも妊娠中の使用は禁止されていません。

ですが、妊娠中の方の場合、「ポビドンヨード」を含むうがい薬には気をつけていただきたいです。

ポビドンヨードは、ヨウ素を遊離しすることで、細菌やウイルスなどに殺菌・消毒効果を発揮します
おそらく、うがい薬というものは、うすめて使用し、ガラガラぶくぶくして吐き出すものなので、実際に妊婦さんの体内に取り込まれる量は多くないため、とくに禁止されていないのだと思いますが、妊娠中にヨウ素を過剰に摂取すると、赤ちゃんに甲状腺機能低下が生じる可能性があるといわれています。

また、ヨウ素を含むスプレータイプの製品である「のどぬ~るスプレー」や、塗布タイプの製品である「のどぬ~る」は、製品のQ&Aとして妊娠中の使用は禁止されています。

Q. 妊娠中・授乳中に使用してもよいですか?

A. 妊婦または妊娠していると思われる方、または授乳中の方は使用はお控えください。
長期間続けて使用した場合には、おなかの赤ちゃん(胎児)、または母乳中へ、有効成分のヨウ素が移行する可能性があります。

(「のどぬーるスプレー」に関するQ&Aより引用)



そのため、妊娠中にうがい薬を使いたいときは、イソジンなどに含まれる「ポビドンヨード」という成分を避け、アズレンスルホン酸ナトリウム水和物などを主成分としたうがい薬を選ぶようにしましょう。














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