便秘になりにくい風邪薬を選ぶポイント2つ

2018/12/27

風邪

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市販の風邪薬を飲んで、便秘になったことはありませんか?

私はもともと便秘がちなため、風邪薬を飲んで便秘になってしまうこと、よくあります。
飲む方の体質にもよりますが、実は、風邪薬に含まれる「ある成分」の副作用で、便秘になりやすくなる場合があります。

店頭でも、ときどき「便秘になりにくい風邪薬ありますか?」という質問を受けますので、今回は、「便秘になりにくい風邪薬」を選ぶポイントについて、ご紹介したいと思います。



便秘を起こしやすい成分とは何?


市販の風邪薬、いわゆる総合感冒薬と呼ばれる製品には、
  • のどの痛み
  • 鼻水、くしゃみ、鼻づまり 

・・・など、かぜのつらい諸症状を和らげる成分が、複数含まれています。

このなかでとくに便秘を起こしやすい成分は、「咳」を和らげる成分と、「鼻症状」を和らげる成分に該当します。

咳を和らげる成分

咳を和らげる成分として、市販の風邪薬によく使われているのは、「ジヒドロコデインリン酸塩」などのコデイン類、「デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物」「ノスカピン」などがあります。
これらのうち、とくに「ジヒドロコデインリン酸塩」などのコデイン類が便秘を起こしやすいといわれています。

鼻症状を和らげる成分

鼻症状を和らげる成分として、市販の風邪薬によく使われているのは、「クロルフェニラミンマレイン酸塩」などの抗ヒスタミン成分や、「ベラドンナ総アルカロイド」「ヨウ化イソプロパミド」などの抗コリン成分があります。抗ヒスタミン成分は大部分の風邪薬に含まれますが、抗コリン成分は、「鼻症状にとくに効果的」とうたわれている製品に含まれることが多いです。
これらのうち、とくに抗コリン成分が便秘を起こしやすいといわれています。



便秘になりにくい風邪薬を選ぶポイント


以上のことから、便秘になりにくい市販の風邪薬を選ぶときには、副作用として便秘を起こしやすい、
  • コデイン類
  • 抗コリン成分

が含まれない製品を選ぶことが、ポイントとなります。

つまり、咳を和らげる成分として、コデイン類ではなく「デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物」や「ノスカピン」「チペピジンヒベンズ酸塩」などが使用されていて、かつ「ベラドンナ総アルカロイド」「ヨウ化イソプロパミド」などの抗コリン成分が使用されていない製品を選びます。



便秘になりにくい市販の風邪薬4選


ポイントをもとに、具体的な商品を4つほどピックアップしてみました。

ご参考にしていただければ幸いです。

ベンザエースA錠/タケダ


【成分】
  • アセトアミノフェン(解熱鎮痛作用)
  • d-クロルフェニラミンマレイン酸塩(鼻症状を和らげる)
  • デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物(咳を和らげる)
  • dl-メチルエフェドリン塩酸塩(気管支を広げ、咳を和らげる)
  • 無水カフェイン(頭痛を和らげる)
  • ヘスペリジン(ビタミン類)
  • トラネキサム酸(のどの痛みを和らげる)

【効能・効果】
かぜの諸症状(のどの痛み、鼻水、鼻づまり、くしゃみ、悪寒、発熱、頭痛、せき、たん、関節の痛み、筋肉の痛み)の緩和

【ポイント】
  • 1日3回服用
  • 6歳~服用可 ※カプレットタイプの「ベンザエースA」は7歳~
  • 咳を和らげる成分として、デキストロメトルファン配合
  • トラネキサム酸配合(病院から処方される「トランサミン」と同じ成分)であるため、のどの炎症がつらい方におすすめ





エスタック総合感冒/エスエス製薬


【成分】
  • アセトアミノフェン(解熱鎮痛作用)
  • クロルフェニラミンマレイン酸塩(鼻症状を和らげる)
  • デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物(咳を和らげる)
  • dl-メチルエフェドリン塩酸塩(気管支を広げ、咳を和らげる)
  • ヘスペリジン(ビタミン類)
  • カンゾウエキス(咳、痰を和らげる。炎症をしずめる)
  • ショウキョウ末(発汗を促し、熱を下げる)
  • 無水カフェイン(頭痛を和らげる)

【効能・効果】
かぜの諸症状(のどの痛み、鼻水、鼻づまり、発熱、悪寒、頭痛、くしゃみ、せき、たん、関節の痛み、筋肉の痛み)の緩和

【ポイント】
  • 1日3回服用
  • 5歳~服用可
  • 咳を和らげる成分として、デキストロメトルファン配合
  • 低年齢から服用可能なので、家族みんなで使いたいときに、家庭の常備薬としてもおすすめ






新コンタックかぜ総合/gsk


【成分】
  • アセトアミノフェン(解熱鎮痛作用)
  • 無水カフェイン(頭痛を和らげる)
  • デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物(咳を和らげる)
  • dl-メチルエフェドリン塩酸塩(気管支を広げ、咳を和らげる)
  • ブロムヘキシン塩酸塩(痰を和らげる)
  • d-クロルフェニラミンマレイン酸塩(鼻症状を和らげる)

【効能・効果】
かぜの諸症状(発熱、のどの痛み、せき、鼻水、鼻づまり、たん、くしゃみ、悪寒、頭痛、関節の痛み、筋肉の痛み)の緩和

【ポイント】
  • 1日2回服用 → お昼に飲めない方におすすめ
  • 7歳~服用可
  • 咳を和らげる成分として、デキストロメトルファン配合
  • ブロムヘキシン配合であるため、痰がつらい方におすすめ





ルルアタックFXa/第一三共ヘルスケア


【成分】
  • イソプロピルアンチピリン(解熱鎮痛作用)
  • アセトアミノフェン(解熱鎮痛作用)
  • ショウキョウ末(発汗を促して解熱作用を高める)
  • クレマスチンフマル酸塩(鼻症状を持続的に抑える)
  • グリチルリチン酸(のどや鼻の粘膜の炎症をしずめる)
  • チペピジンヒベンズ酸塩(咳、痰を和らげる)
  • ノスカピン(咳を和らげる)
  • dl-メチルエフェドリン塩酸塩(気管支を広げ、咳を和らげる)
  • 無水カフェイン(頭痛を和らげる)
  • アスコルビン酸(ビタミンCを補う)

【効能・効果】
かぜの諸症状(発熱、悪寒、頭痛、のどの痛み、鼻水、鼻づまり、せき、たん、関節の痛み、筋肉の痛み、くしゃみ)の緩和

【ポイント】
  • 1日3回服用
  • 7歳~服用可
  • 咳を和らげる成分として、チペピジンヒベンズ酸塩、ノスカピン配合
  • 4つのルルアタックシリーズのなかで、「発熱・さむけ」を感じる風邪におすすめされている
  • 解熱鎮痛成分として配合されている「イソプロピルアンチピリン」は「ピリン系」と呼ばれ、解熱鎮痛作用は強いとされていますが、ピリン系アレルギーの方は使用できません






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