市販の風邪薬を飲んで、便秘になったことはありませんか?
私はもともと便秘がちなため、風邪薬を飲んで便秘になってしまうこと、よくあります。
飲む方の体質にもよりますが、実は、風邪薬に含まれる「ある成分」の副作用で、便秘になりやすくなる場合があります。
店頭でも、ときどき「便秘になりにくい風邪薬ありますか?」という質問を受けますので、今回は、「便秘になりにくい風邪薬」を選ぶポイントについて、ご紹介したいと思います。
便秘を起こしやすい成分とは何?
市販の風邪薬、いわゆる総合感冒薬と呼ばれる製品には、
- 熱
- のどの痛み
- 咳
- 痰
- 鼻水、くしゃみ、鼻づまり
・・・など、かぜのつらい諸症状を和らげる成分が、複数含まれています。
このなかでとくに便秘を起こしやすい成分は、「咳」を和らげる成分と、「鼻症状」を和らげる成分に該当します。
咳を和らげる成分
咳を和らげる成分として、市販の風邪薬によく使われているのは、「ジヒドロコデインリン酸塩」などのコデイン類、「デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物」「ノスカピン」などがあります。これらのうち、とくに「ジヒドロコデインリン酸塩」などのコデイン類が便秘を起こしやすいといわれています。
鼻症状を和らげる成分
鼻症状を和らげる成分として、市販の風邪薬によく使われているのは、「クロルフェニラミンマレイン酸塩」などの抗ヒスタミン成分や、「ベラドンナ総アルカロイド」「ヨウ化イソプロパミド」などの抗コリン成分があります。抗ヒスタミン成分は大部分の風邪薬に含まれますが、抗コリン成分は、「鼻症状にとくに効果的」とうたわれている製品に含まれることが多いです。これらのうち、とくに抗コリン成分が便秘を起こしやすいといわれています。
便秘になりにくい風邪薬を選ぶポイント
以上のことから、便秘になりにくい市販の風邪薬を選ぶときには、副作用として便秘を起こしやすい、
- コデイン類
- 抗コリン成分
が含まれない製品を選ぶことが、ポイントとなります。
つまり、咳を和らげる成分として、コデイン類ではなく「デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物」や「ノスカピン」「チペピジンヒベンズ酸塩」などが使用されていて、かつ「ベラドンナ総アルカロイド」「ヨウ化イソプロパミド」などの抗コリン成分が使用されていない製品を選びます。
便秘になりにくい市販の風邪薬4選
ポイントをもとに、具体的な商品を4つほどピックアップしてみました。
ご参考にしていただければ幸いです。
ベンザエースA錠/タケダ
【成分】
- アセトアミノフェン(解熱鎮痛作用)
- d-クロルフェニラミンマレイン酸塩(鼻症状を和らげる)
- デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物(咳を和らげる)
- dl-メチルエフェドリン塩酸塩(気管支を広げ、咳を和らげる)
- 無水カフェイン(頭痛を和らげる)
- ヘスペリジン(ビタミン類)
- トラネキサム酸(のどの痛みを和らげる)
【効能・効果】
かぜの諸症状(のどの痛み、鼻水、鼻づまり、くしゃみ、悪寒、発熱、頭痛、せき、たん、関節の痛み、筋肉の痛み)の緩和
【ポイント】
- 1日3回服用
- 6歳~服用可 ※カプレットタイプの「ベンザエースA」は7歳~
- 咳を和らげる成分として、デキストロメトルファン配合
- トラネキサム酸配合(病院から処方される「トランサミン」と同じ成分)であるため、のどの炎症がつらい方におすすめ
エスタック総合感冒/エスエス製薬
【成分】
- アセトアミノフェン(解熱鎮痛作用)
- クロルフェニラミンマレイン酸塩(鼻症状を和らげる)
- デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物(咳を和らげる)
- dl-メチルエフェドリン塩酸塩(気管支を広げ、咳を和らげる)
- ヘスペリジン(ビタミン類)
- カンゾウエキス(咳、痰を和らげる。炎症をしずめる)
- ショウキョウ末(発汗を促し、熱を下げる)
- 無水カフェイン(頭痛を和らげる)
【効能・効果】
かぜの諸症状(のどの痛み、鼻水、鼻づまり、発熱、悪寒、頭痛、くしゃみ、せき、たん、関節の痛み、筋肉の痛み)の緩和
【ポイント】
- 1日3回服用
- 5歳~服用可
- 咳を和らげる成分として、デキストロメトルファン配合
- 低年齢から服用可能なので、家族みんなで使いたいときに、家庭の常備薬としてもおすすめ
新コンタックかぜ総合/gsk
【成分】
- アセトアミノフェン(解熱鎮痛作用)
- 無水カフェイン(頭痛を和らげる)
- デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物(咳を和らげる)
- dl-メチルエフェドリン塩酸塩(気管支を広げ、咳を和らげる)
- ブロムヘキシン塩酸塩(痰を和らげる)
- d-クロルフェニラミンマレイン酸塩(鼻症状を和らげる)
【効能・効果】
かぜの諸症状(発熱、のどの痛み、せき、鼻水、鼻づまり、たん、くしゃみ、悪寒、頭痛、関節の痛み、筋肉の痛み)の緩和
【ポイント】
- 1日2回服用 → お昼に飲めない方におすすめ
- 7歳~服用可
- 咳を和らげる成分として、デキストロメトルファン配合
- ブロムヘキシン配合であるため、痰がつらい方におすすめ
グラクソ・スミスクライン・コンシューマー・ヘルスケア・ジャパン 2017-08-28
ルルアタックFXa/第一三共ヘルスケア
【成分】
- イソプロピルアンチピリン(解熱鎮痛作用)
- アセトアミノフェン(解熱鎮痛作用)
- ショウキョウ末(発汗を促して解熱作用を高める)
- クレマスチンフマル酸塩(鼻症状を持続的に抑える)
- グリチルリチン酸(のどや鼻の粘膜の炎症をしずめる)
- チペピジンヒベンズ酸塩(咳、痰を和らげる)
- ノスカピン(咳を和らげる)
- dl-メチルエフェドリン塩酸塩(気管支を広げ、咳を和らげる)
- 無水カフェイン(頭痛を和らげる)
- アスコルビン酸(ビタミンCを補う)
【効能・効果】
かぜの諸症状(発熱、悪寒、頭痛、のどの痛み、鼻水、鼻づまり、せき、たん、関節の痛み、筋肉の痛み、くしゃみ)の緩和
【ポイント】
- 1日3回服用
- 7歳~服用可
- 咳を和らげる成分として、チペピジンヒベンズ酸塩、ノスカピン配合
- 4つのルルアタックシリーズのなかで、「発熱・さむけ」を感じる風邪におすすめされている
- 解熱鎮痛成分として配合されている「イソプロピルアンチピリン」は「ピリン系」と呼ばれ、解熱鎮痛作用は強いとされていますが、ピリン系アレルギーの方は使用できません
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