大人に使える解熱鎮痛剤の坐薬って市販されているの?

2018/12/19

熱・痛み

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「解熱鎮痛剤の坐薬」というと、アルピニーやアンヒバなど、アセトアミノフェンを成分とする坐薬が小さなお子さまによく処方されているイメージがありますが、大人の方に処方されることもあります。

たとえば、飲み薬では対処できないような強い痛み(術後とか、胆石とか)などがあるときに処方されることがあります。大人の方に使われる坐薬には、インドメタシンやケトプロフェンを成分とする製品もありますが、やはり処方頻度が高いのは、ジクロフェナクナトリウムを成分としたボルタレンサポでしょうか。

ドラッグストアの店頭では、「病院からボルタレンサポを処方されていたが、切らしてしまった。同じようなものは売っているか?」といった相談を受けることがあります。



「ボルタレンサポ」のような大人用の解熱鎮痛剤坐薬は市販されているのか?


答えからお伝えしますと、現時点で大人用の解熱鎮痛剤の坐薬は市販されていません

痛みがつらいという方には、お手数ですが再度受診してボルタレンサポを処方してもらうことをおすすめするか、代替案として、(飲み薬になってしまいますが)市販薬の中で効果の高い痛み止めとして、ロキソニンSプレミアムなどを提案する形になります。





市販薬で「坐薬」はめずらしい


市販薬でそもそも、「坐薬」という形になっているお薬の種類は、飲み薬や貼り薬に比べるとそれほど多くありません。たとえばこんなものがあります。

子供用の解熱鎮痛薬の坐薬

大人用はありませんでしたが、子供用でしたら解熱鎮痛薬の坐薬が市販されています。
食欲がないとき、吐いてしまうときなど、飲み薬が飲めないときに使いやすい形です。
たとえば、「こどもパブロン坐薬」という製品には、解熱鎮痛成分であるアセトアミノフェンが坐薬1個あたり100mg入っていて、1~12歳のお子さまに使うことができます。





痔用の坐薬

痔用の坐薬が市販されています。おしりに挿入することで、体温で坐薬が溶け、成分が患部に直接作用します。痔用のお薬には、大きく分けて坐薬、注入軟膏、軟膏などがありますが、坐薬は肛門内部の症状に効果的です。

配合される成分のちがいで、いくつかのタイプがありますが、たとえば、「ボラギノールA坐剤」という製品には、炎症を抑えるステロイド成分、痛み・かゆみを和らげる局所麻酔成分、組織を修復する成分、血行をよくする成分が配合されています。





便秘用の坐薬

便秘用の坐薬が市販されています。
こちらも配合される成分のちがいでいくつかのタイプに分かれます。

たとえば、「オイレスA」という製品は、飲み薬のコーラックと同じ、ビサコジルという成分を含みます。ビサコジルは、腸を刺激することで排便を促す作用があります。
早い方で3~5分後に便意を感じるようです。

一方、「新レシカルボン坐剤S」という製品は、炭酸水素ナトリウム、無水リン酸二水素ナトリウムという成分を含み、炭酸ガスが直腸に直接はたらくことで、おだやかな便通を促す作用があります。およそ1~30分で効果があらわれるようです。こちらは、病院から処方される「新レシカルボン坐剤」と含まれる成分・量ともに同じものです。






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