排卵日検査薬の種類と選び方

2018/12/21

妊娠

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妊活をされている女性ならば、「排卵日検査薬」を使ったことのある方、もしくは使ったことはないけれど気になっている方が多いのではないでしょうか。

排卵日検査薬は一年をとおして、一定の需要のある製品です。
今回は、ドラッグストアで市販されている製品の種類と違い、選び方についてまとめたいと思います。



排卵日検査薬とは


女性ホルモンの一種である黄体形成ホルモン(LH)は、普段から少量分泌されていますが、ある時期に大量に分泌される(LHサージ)と、約40時間以内に排卵が起こるといわれています。市販の排卵日検査薬は、尿中のLHを検出し、LHサージをとらえることができるので、排卵日の予測に役立ちます。

下のグラフでは、青線がLHで、とんがっている部分がLHサージです。LHサージから約40時間以内、ピンク色で塗りつぶしたあたりに排卵が起こるイメージです。




市販の排卵日検査薬の違い


排卵日検査薬をはじめて使うというお客さまから、「たくさん種類があるけど、何が違うの?」とよく相談を受けます。
排卵日検査薬各製品の主な違いには、大きく分けて、次のようなものがあります。
  • 判定方法
  • 尿をかける時間・判定までの待ち時間
  • LH検出濃度
  • 1本あたりの値段

それでは、順番に見ていきましょう。

①判定方法

1本ライン or 3本ライン or 顔マーク

1本ライン

  • 【基準/コントロール】ラインと比べて、【判定/テスト】ラインのほうが濃い、または同等の濃さなら「陽性
  • 【基準/コントロール】ラインと比べて、【判定/テスト】ラインのほうが薄い、または出ないなら「陰性
のように判断します。

3本ライン

【判定/テスト】ラインが3本あります。
それぞれ、尿中LH濃度が10 mIU/mLのとき1本、30 mIU/mLのとき2本、100 mIU/mLのとき3本出ます。
ラインの色の濃淡ではなく、本数で判定します。つまり、
  • 前日と比べてラインの本数が増加したら「陽性」(例外あり)
  • 前日と比べてラインの本数が増加しなかったら「陰性
のように判断します。

顔マーク

デジタルタイプなので、ラインではなく、ディスプレイの表示を見ます。
  • ディスプレイにニコニコマークが表示されていれば「陽性
  • ディスプレイにニコニコマークが表示されていなければ「陰性
のように判断します。

店頭で接客していると、こちらのデジタルタイプの需要が一定数あることがわかりました。お客さまのお話では、「線の濃さで判断するのはわかりにくい。これなら一目でわかるので、判断しやすい」とのことでした。

②尿をかける時間・判定までの待ち時間

尿をかける時間については、数秒の違いなので、大差ありません。
判定までの待ち時間は3分~10分まで幅があります。判定方法が3本ラインタイプだと時間がかかります。

③LH検出濃度

どれくらいの尿中LH濃度から陽性反応が出るかという精度の違いがあります。が、はじめて使う方にとってはよくわからないと思います。精度がよければ必ずしもいいとはかぎらないので、使ってみないとわかりません。

④1本あたりの値段

メーカーごとに若干の違いがあります。販売店によっても異なりますので、重視される方は、一度計算してみてください。



市販の排卵日検査薬の種類

私が見たところ、市販の排卵日検査薬は6種類出ているようです(この記事を書いた2017年12月現在。漏れがあったら申し訳ありません)。
それぞれの違いについて、表にしてみました。ここでは海外製は含めず、日本製に限定しています。

製品名/メーカ―検査タイミング判定方法尿をかける
時間
判定までの
時間
LH検出濃度本数
クリアブルー排卵日
予測テスト/オムロン
次の生理開始
予定日の
17日前から
1本ライン5秒かける or
20秒浸す
3分40 mIU/mL7本/12本
チェックワンLHⅡ排卵日
予測検査薬/アラクス
1本ライン5秒かける or
20秒浸す
3分40 mIU/mL5本/10本
チェックワンLHⅡ
デジタル/アラクス
顔マーク5~7秒かける
or 15秒浸す
3分40 mIU/mL5本/10本
ドゥーテストLH
/ロート
1本ライン2秒かける or
2秒浸す
5分30 mIU/mL7本/12本
P-チェック・LHクリアリー
/ミズホメディー
1本ライン5秒かける or
10秒浸す
3分30 mIU/mL7本/14本
ハイテスターH/ミ
ズホメディー/タケダ
3本ライン5秒かける or
10秒浸す
10分30 mIU/mL※5本/10本

※チェックワンLHⅡデジタル以外は、第1類医薬品に分類されますので、薬剤師のいる薬局、通信販売などで購入できます。チェックワンLHⅡデジタルは医療用ですので、薬局でのみ購入できます。
※3本ラインで判定するハイテスターHのLH検出濃度はラインの本数によって異なります。尿中LH濃度が10 mIU/mLのとき1本、30 mIU/mLのとき2本、100 mIU/mLのとき3本出ます。



個人的におすすめしたい排卵日検査薬


私が個人的におすすめしたい排卵日検査薬は、3本ラインで判定する「ハイテスターH」です(似た名前で「ハイテスターN」という製品もありますが、「N」のほうは妊娠検査薬ですので、注意が必要です)。

待ち時間はややかかるのが難点ですが、1本ラインよりも排卵日の予測がつけやすいと感じます。たとえば、ハイテスターHではじめて陽性反応が出た状態、具体的には2本のはっきりしたラインと、うっすら3本目のラインが見えるかな? という状態だとして、下のグラフの①と➁の場合が考えられます。これからピークに向かう場合と、すでにピークをすぎている場合です。



通常、排卵日検査薬は1日1回で用いることが多いですが、1日1回でLHサージがとらえにくい場合は、1日2回用いてもOKです。

なので、①なのか➁なのかよくわからないときに、1日2回測定することで(たとえば毎朝測定している人であれば、その日だけ夜にも測定してみるとか)、ラインがさらに増えているか、減っているかで、はじめての陽性反応が①だったのか➁だったのか、なんとなくわかります。

ある周期で、何日目に陽性反応が出たとわかった人は、次の周期には前回陽性反応が出たあたりだけ1日2回測定することで、よりタイミングがつかみやすくなります。



おわりに


妊活中の女性にとって、排卵日を予測することはとても大切なことですし、そのために排卵日検査薬が役立つことはたしかです。

ですが、注意も必要です。

排卵日検査薬はあくまで「LHサージ」を検出するものであり、排卵日検査薬で陽性反応が出たからといって、必ずしも排卵したわけではありません。きちんと排卵したかどうか確認するには、婦人科を受診して、エコーで卵胞の大きさの変化を確認してもらうしかありません。

これは私の実体験ですが、私はかねてから「非破裂卵胞」気味といわれていまして、基礎体温がきれいに2層になっていて、排卵日検査薬で陽性反応が出て(LHサージあり)も、排卵していなかったことがあります。このような場合もあるので、排卵日検査薬でいいタイミングが持ててもなかなか妊娠しないという方は、専門の病院に相談に行くことをおすすめします。




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