病院からもらうカンジダ治療薬と、市販のカンジダ「再発」治療薬の違い

2018/12/27

女性

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私が女性薬剤師だから、というのもあるかもしれませんが、店頭で「カンジダ」の薬について聞かれることが、よくあります。

「これまでは病院に行っていたけど、いつも同じ薬をもらうだけだから、カンジダの市販薬を試してみたい・・・」「なかなか病院に行けないから、カンジダの市販薬もあると聞いて買いに来ました」などと相談してくださいます。セルフメディケーションですね。

100種類以上もある風邪薬などと比べると、そもそもカンジダの市販薬は選択肢が限られています。今回は、これまで病院でカンジダの治療を受けていた方が市販薬を選ぶ参考になるように、病院から処方されるカンジダの薬との違いをメインにまとめてみたいと思います。



そもそも市販のカンジダ治療薬を買える人はカンジダ「再発」の人だけ


カンジダの市販薬のパッケージをよく見てみると、商品名の上あたりに「膣カンジダの再発治療薬」と書かれています。ポイントは「再発」というところですね。

カンジダの市販薬はすべて「第1類医薬品」に分類されますので、販売は薬剤師にかぎられていて、お客さまがその商品をお使いいただけるかのご確認と、書面での情報提供をさせていただく必要があります。

カンジダの市販薬を使用できるかどうかの細かい確認事項はいくつかあるのですが、一部を紹介すると以下のようなものがあります。


次の人は使用しないでください。

(1)以前に医師から、膣カンジダの診断・治療を受けたことがない人。
(2)膣カンジダの再発を繰り返している人。(2ヶ月以内に1回又は6ヶ月以内に2回以上)
(3)膣カンジダの再発かどうかよくわからない人。(おりものがおかゆ〔カッテージチーズ〕状や白く濁った酒かす状ではない、嫌なにおいがあるなどの場合、他の疾患の可能性が考えられる)

(「メンソレータム フレディCC膣錠」添付文書より一部引用)

はじめてカンジダのような症状があらわれた場合、頻繁にカンジダが再発している場合、カンジダかどうか自分での判断が難しい場合には、医師の診察を受けたほうがいいので、セルフメディケーションではなく、病院に行っていただく必要があります。



錠剤とクリームがあるけど、どっちを選んだらいいの?


おりものなど、膣のなかの症状のある方は錠剤を使う必要があります。錠剤といっても「飲む」錠剤ではなく、膣のなかに挿入する錠剤です。外側のかゆみのみの症状のときはクリームだけでもかまいませんが、錠剤を一緒に使うことが望ましいとされています。



病院からもらうカンジダの薬と市販薬のちがいを比べてみよう


各錠剤について、左側に病院から処方されるカンジダの薬、右側にカンジダの市販薬を並べて比べてみました。

病院にかかった場合、院内で1回だけ錠剤を入れて終わりという治療が多いのではないかと思います。カンジダの市販薬では、基本的に6日間連続で使用する必要がありますので、そこが大きな違いでしょうか。


成分クロトリマゾールオキシコナゾール硝酸塩
分類処方薬市販薬処方薬市販薬
商品名エンペシド膣錠
100mg
エンペシドLオキナゾール膣錠
100mg/600mg
フェミニーナ膣
カンジダ錠
メーカーバイエル薬品佐藤製薬田辺三菱製薬(発売)
小林製薬
(製造販売)
田辺三菱製薬
1錠あたり
含量
100mg100mg/
600mg
100mg
使い方1日1回1錠
6日間
(100mg)
1日1回1錠
6日間
(600mg)
1週1回1錠
1日1回1錠
6日間
クリーム
×
カンジダ用は×
特徴
発泡錠



カンジダの市販薬の指名買いでもっとも多いのは、私の経験では「エンペシドL」です。こちらは発泡錠なので成分が広がりやすくはなっているのですが、発泡することに「違和感があるのでイヤ!」というお客さまもなかにはいらっしゃいます。








成分ミコナゾール硝酸塩イソコナゾール硝酸塩
分類処方薬市販薬処方薬処方薬市販薬
商品名フロリード膣坐剤
100mg
メディトリートアデスタン膣錠
300mg
イソコナゾール硝酸塩
膣錠100mg/
300mg「F」
フレディCC膣錠
メーカー持田製薬大正製薬バイエル薬品富士製薬ロート製薬
1錠あたり
含量
100mg300mg100mg/300mg100mg
使い方1日1回1錠
6日間
1週1回2錠(100mg)
1日1回1錠6日間
(300mg)
1週1回2錠
1日1回1錠
6日間
クリーム
あり

あり
特徴



アプリケータ付き
フレディ膣錠Aあり


フレディCC膣錠には、アプリケーター付きの「フレディCC膣錠A」という製品もあります。アプリケーターがあることで挿入がしやすくなりますので、「はじめて」「痛いかも・・・」「奥まで入るだろうか・・・」といった不安のある方は、アプリケーター付きのほうが使いやすいかと思います。

また、処方薬のアデスタンには、ジェネリックとしてイソコナゾール硝酸塩膣錠が出ています。こちらの添付文書によりますと、「6日間継続投与法(6日療法)は真菌学的効果(一次効果)が、1週1回投与法(1日療法)よりもやや優れる成績を示している」とありますので、毎日使うのは手間かもしれませんが、カンジダの治療効果が上がることを期待して、忘れずに続けていきましょう。










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