「これまでは病院に行っていたけど、いつも同じ薬をもらうだけだから、カンジダの市販薬を試してみたい・・・」「なかなか病院に行けないから、カンジダの市販薬もあると聞いて買いに来ました」などと相談してくださいます。セルフメディケーションですね。
100種類以上もある風邪薬などと比べると、そもそもカンジダの市販薬は選択肢が限られています。今回は、これまで病院でカンジダの治療を受けていた方が市販薬を選ぶ参考になるように、病院から処方されるカンジダの薬との違いをメインにまとめてみたいと思います。
そもそも市販のカンジダ治療薬を買える人はカンジダ「再発」の人だけ
カンジダの市販薬のパッケージをよく見てみると、商品名の上あたりに「膣カンジダの再発治療薬」と書かれています。ポイントは「再発」というところですね。
カンジダの市販薬はすべて「第1類医薬品」に分類されますので、販売は薬剤師にかぎられていて、お客さまがその商品をお使いいただけるかのご確認と、書面での情報提供をさせていただく必要があります。
カンジダの市販薬を使用できるかどうかの細かい確認事項はいくつかあるのですが、一部を紹介すると以下のようなものがあります。
次の人は使用しないでください。
(1)以前に医師から、膣カンジダの診断・治療を受けたことがない人。
(2)膣カンジダの再発を繰り返している人。(2ヶ月以内に1回又は6ヶ月以内に2回以上)
(3)膣カンジダの再発かどうかよくわからない人。(おりものがおかゆ〔カッテージチーズ〕状や白く濁った酒かす状ではない、嫌なにおいがあるなどの場合、他の疾患の可能性が考えられる)
(「メンソレータム フレディCC膣錠」添付文書より一部引用)
はじめてカンジダのような症状があらわれた場合、頻繁にカンジダが再発している場合、カンジダかどうか自分での判断が難しい場合には、医師の診察を受けたほうがいいので、セルフメディケーションではなく、病院に行っていただく必要があります。
錠剤とクリームがあるけど、どっちを選んだらいいの?
おりものなど、膣のなかの症状のある方は錠剤を使う必要があります。錠剤といっても「飲む」錠剤ではなく、膣のなかに挿入する錠剤です。外側のかゆみのみの症状のときはクリームだけでもかまいませんが、錠剤を一緒に使うことが望ましいとされています。
病院からもらうカンジダの薬と市販薬のちがいを比べてみよう
各錠剤について、左側に病院から処方されるカンジダの薬、右側にカンジダの市販薬を並べて比べてみました。
病院にかかった場合、院内で1回だけ錠剤を入れて終わりという治療が多いのではないかと思います。カンジダの市販薬では、基本的に6日間連続で使用する必要がありますので、そこが大きな違いでしょうか。
カンジダの市販薬の指名買いでもっとも多いのは、私の経験では「エンペシドL」です。こちらは発泡錠なので成分が広がりやすくはなっているのですが、発泡することに「違和感があるのでイヤ!」というお客さまもなかにはいらっしゃいます。
小林製薬 2017-10-01
フレディCC膣錠には、アプリケーター付きの「フレディCC膣錠A」という製品もあります。アプリケーターがあることで挿入がしやすくなりますので、「はじめて」「痛いかも・・・」「奥まで入るだろうか・・・」といった不安のある方は、アプリケーター付きのほうが使いやすいかと思います。
また、処方薬のアデスタンには、ジェネリックとしてイソコナゾール硝酸塩膣錠が出ています。こちらの添付文書によりますと、「6日間継続投与法(6日療法)は真菌学的効果(一次効果)が、1週1回投与法(1日療法)よりもやや優れる成績を示している」とありますので、毎日使うのは手間かもしれませんが、カンジダの治療効果が上がることを期待して、忘れずに続けていきましょう。
0 件のコメント:
コメントを投稿