※当記事は、2017年6月に書いた記事に、一部変更を加えています。
花粉症のシーズンが終わると、ドラッグストアの一番目立つところには水虫薬や虫よけスプレー、かゆみ止めなどが並びます。この時期になると、「季節もの」として、普段はお店に置いていない商品も置かれるようになります。
ムヒ、ウナ、キンカン・・・、毎年たくさん並ぶやつね~と思いながらチェックしていると、2017年夏シーズンの虫よけスプレーが、前シーズンに比べてだいぶグレードアップしていることに気がつきました。
目玉は
- ディート 30%
- イカリジン 15%
イカリジン・・・初めて知りました。新しく承認された虫よけ成分だそうです。
ジカ熱やデング熱などの「感染症対策」が背景にあります。こうした感染症が流行したことは、記憶に新しいですよね。効果がより長持ちする「高濃度」の有効成分を含む虫よけ剤を、いち早く流通させるために、厚生労働省がいつもより急ぎ足で審査を行ない、発売を認めてくれたようです。
これまで販売されていたのは、虫よけ成分として、
- ディート 12%(医薬品)
- ディート 10%以下(医薬部外品)
- イカリジン 5%(医薬部外品)
ただ、海外ではディートで75~100%、イカリジンで30%といったさらに高濃度の製品も販売されているため、そこまでには及んでいない状況です。
虫よけ剤を選ぶポイントはいくつかあります。
- どんな虫よけ成分を選ぶのか?(ディート、イカリジン、天然成分)
- どんな形を選ぶのか?(スプレー、液体、ウェットティッシュ、パッチ・・・)
- 使うのは誰か?(子供、大人、肌が丈夫、肌が弱い・・・)
こんなことを考えながら、「虫よけ剤の選び方」を見ていきましょう。
どの虫よけ成分を選ぶ?
(1)ディート
ディートは、1940年代にアメリカで開発された虫よけ成分です。日本では昭和37年に医薬部外品が発売されて以来、いまでは医薬品・医薬部外品と広く使用されています。スプレータイプ、液体タイプ、ウェットティッシュタイプなど、たくさんの製品が出ています。蚊、ブユ(ブヨ)、アブ、ノミ、イエダニ、マダニ、サシバエ、トコジラミ(ナンキンムシ)、ツツガムシなどに対応しています。確認するポイントは次のとおりです。
①濃度
医薬品で30%、12%、医薬部外品で10%以下となっています。一般的には濃度の高いものほど、効果の持続時間も長いです。30%の製品では、効果が5~8時間ほど続くとされています。外での活動時間に合わせて適当なものを選びましょう。※虫よけ成分をパウダーで包むことで、濃度12%でも効果が12時間ほど続く製品もあります。
②使う人の年齢
- 濃度30%の製品 → 12歳未満のお子様には使用できません。
- そのほか → 6ヶ月未満の赤ちゃんには使用できません。
また、お子様に使用する場合、使用回数の目安は次のようになっています。
- 6ヶ月未満の乳児には使用しないこと
- 6ヶ月以上2歳未満は、1日1回
- 2歳以上12歳未満は、1日1~3回
③副作用など
お肌の弱い方ではかぶれることがあります。また、目に入ると刺激を感じることがあります。高濃度の製品を大量に飲み込んだ場合には血圧低下、けいれんなどの影響があるとされています。また、長い期間にわたって大量に皮膚に使用した場合には、発疹など皮膚への影響があるとされていますが、そうでないかぎり、重い副作用は多く生じていないようで(海外の報告を見ると完全にゼロとはいえません・・・)、毒性は低いとされています。
ディートにかんするメリット、デメリットをまとめますと、次のとおりです。
メリット
- いろんな虫に対応している。
- いろんな形の製品が出ている。
デメリット
- とくにお子様に使うときは注意が必要。6ヶ月未満の赤ちゃんには使えない。
- 肌が弱い方は注意が必要。
- 独特のにおいがある。
- べたつく。
(2)イカリジン
イカリジンは、1980年代にドイツで開発された虫よけ成分で、日本では2016年に医薬部外品として発売されました。発売されたばかりなので、製品数はディートに比べ、少な目です。においや刺激などディートのデメリットを改善しつつ、さらにディートと同等以上の有効性のある虫よけ成分とされています。ただ、虫よけ効果があるとされるのは、蚊、ブユ(ブヨ)、マダニ、アブと少な目で、ディートには及んでいません。
確認するポイントは次のとおりです。
①濃度
医薬部外品の扱いで、濃度15%と5%以下の製品があります。濃度15%の製品で効果は約6~8時間続くとされています。
②使う人の年齢
年齢制限はありません。小さなお子様から使用できます。③副作用など
ディートのように特別な注意の記載はないようです。目に入ってしまうと軽い刺激を感じる場合があるので、目に入らないよう首筋や顔に塗るときは直接スプレーするのではなく、いったん手にとってから塗り伸ばすことをおすすめします。
イカリジンにかんするメリット、デメリットをまとめますと、次のとおりです。
メリット
- 年齢制限がないので赤ちゃんから使える。
- におい、べたつき、肌への刺激などディートのデメリットが改善されている。
デメリット
- 対応する虫の種類が少ない。
- 製品数、タイプが少ない。
フマキラー 2016-09-23
(3)天然成分
ユーカリ油などの天然の精油を主成分としており、虫の嫌がるにおいで虫をよせつけないようにしています。ユーカリ油は蚊に対して低濃度のディートと同じくらいの虫よけ効果を示すとされていますが、天然成分を用いた製品の場合、製品ごとに効果は変わると思いますので、ディートやイカリジンとの比較はできません。
しっかりとした虫よけ効果を求める場合にはディートやイカリジンをおすすめしますが、効果をそこまで求めない方、合成された成分に抵抗のある方、肌が弱い方や小さいお子様には、こちらのタイプを選択肢に入れてもいいかと思います。直接肌につけるのではなく、衣服などにスプレーするタイプです。
どういった形を選ぼうか?
大きく分けて「スプレータイプ」「塗るタイプ」に分かれます。
(「貼るタイプ」も一応あります。ユーカリなどの天然成分を含む製品が出ています。お子様など、肌への刺激や吸い込みが心配な場合や、スプレー・塗るタイプとダブル使いされる方におすすめです)
それぞれのちがいのイメージとしてはこんな感じです。
スプレータイプでは、とくに小さなお子様が吸い込んでしまうのを防ぐために、いったん大人の方が手にとり、お子様に塗ってあげることをおすすめします。
(1)スプレータイプ
缶の容器に入っていて、ガスの圧力でシューっとスプレーするタイプ(→ここでは仮に「缶スプレータイプ」と呼びます)と、プラスチックの容器に入っていて、ポンプで液体をプシュプシュすることでミスト状にスプレーするタイプ(→ここでは仮に「ミストスプレータイプ」と呼びます)の2タイプあります。↓こちらが缶スプレータイプ
↓こちらがミストスプレータイプ
フマキラー 2016-09-23
(2)塗るタイプ
ウェットティッシュに虫よけ成分が染み込んでいるものを直接肌に塗る「ウェットティッシュタイプ」と、プラスチックの容器に液体が入っていて、先端のスポンジ部分を直接肌に塗る「液体タイプ」、チューブに入っているジェルをいったん手にとって塗り伸ばす「ジェルタイプ」などがあります。↓こちらがウェットティッシュタイプ
↓こちらがジェルタイプ
ちなみに私が選んだ虫よけスプレーは・・・
ちょうどジカ熱やデング熱が騒ぎになっていた時期に、東南アジアへ行く機会がありました。そこで、私が選んだ虫よけスプレーはこちらです。
イカリジンを15%配合したミストスプレータイプの虫よけスプレーです。「しっかりした効果が欲しいが、ディートよりイカリジンのほうが肌にやさしいそう」「缶ではないので、ゴミ捨てが楽」「塗るときに手が汚れない」という理由から、こちらの製品を選びました。
宿泊した東南アジアの宿は、ドアの下、お風呂場など、いろんなところに隙間がありました。そのためか、もともと宿にはコンセントに接続するタイプの蚊取り線香のようなものが用意されていましたが、 効果のほどは謎でした。怖かったので、宿で寝るときにも虫よけをスプレーして過ごしました。おかげで、帰国するまで、蚊に刺されることは一度もなかったです。
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