運転前に栄養ドリンクを飲んだら、飲酒運転になるの?

2018/12/08

疲労

t f B! P L



ネット上の情報でときどき見かけるものとして、「運転前に栄養ドリンクを飲んだら飲酒運転になる」というものがあります。そのためか、店頭でお客さまからも、「疲れているから栄養ドリンクを飲みたいけど、運転前に飲んだら飲酒運転になるのでは?」という相談を受けることがあります。

たしかに、栄養ドリンクのパッケージを見ると、「アルコール」の記載のあるものがあります。ですが、使用上の注意に、「飲んだ後に運転してはいけません」といった内容は見当たりません。念のため、栄養ドリンクによって飲酒運転になってしまうことがあるのか、メーカーのほうに確認したところ、

「用法・用量を守って飲んでいただければ飲酒運転になりません」

との回答をいただきましたので、運転前に栄養ドリンクを飲んでも、正しい飲み方ならば問題なさそうです。



栄養ドリンクには微量のアルコールが含まれているものがある


たまたま家にあった栄養ドリンク(期限切れ)のパッケージを確認してみたところ、たしかに「アルコール1.2mL以下」という記載がありました。


含まれているアルコールの量は、栄養ドリンクの各製品ごとに異なり、私が確認したところでは、0.2mL以下、0.5mL以下、0.9mL以下などさまざまでした。多めに見積もって、仮に栄養ドリンク1本に2mLのアルコールが含まれていたとして、それはどれくらい飲酒したイメージなのでしょうか?

アルコール度数100%のお酒を2mL飲酒したと、置き換えて考えてみます。
アルコールの比重は0.8なので、摂取した純アルコール量は下記のように計算できます。

(飲酒量)2mL × (アルコール度数)100/100 × (比重)0.8 = (純アルコール量)1.6g

これは、アルコール度数5%のビールを40mLくらい飲んだときと同じイメージです。
(そう考えると、思っていたよりも多いかなという印象です・・・。多めに見積もってはいますが)



そもそも飲酒運転とは?


警察庁のHPによると、飲酒運転した場合の行政処分は下記のようになっているようです。

酒酔い運転
(アルコールの影響により車両等の正常な運転ができない状態)
  • 基礎点数35点
  • 免許取消し 欠格期間3年

酒気帯び運転
呼気中アルコール濃度0.15mg/l 以上 0.25mg/l 未満
  • 基礎点数13点
  • 免許停止 期間90日

呼気中アルコール濃度0.25mg/l以上
  • 基礎点数25点
  • 免許取消し 欠格期間2年

先ほどの飲酒量のイメージ「アルコール濃度5%のビール40mL」を、仮に体重60kgの人が飲んだ直後のアルコール濃度を、某計算サイトで求めたところ

  • 血中アルコール濃度   0.028~0.044mg/mL
  • 呼気中アルコール濃度  0.014~0.022mg/l

となり、酒気帯び運転の基準を大きく下回っていました。

また、AsahiのHPで飲酒運転のわかりやすいイメージがありましたので、参考に引用させていただきました。

道路交通法において、酒気帯び運転の基準値となる呼気中アルコール濃度は0.15mg/L。血中アルコール濃度に換算すると、0.3mg/mL(0.03%)に当たります。これは、純アルコール20g(ビール中びん1本、日本酒1合、ウイスキーダブル1杯)を飲んだときの血中アルコール濃度0.2mg/mL(0.02%)~0.4mg/mL(0.04%)に相当します。
 量ではなくお酒を少しでも飲んだら絶対に運転してはいけません。

(Asahi「人とお酒のイイ関係」より引用)


以上をまとめると、繰り返しにはなりますが、運転前に栄養ドリンクを飲んでも(正しい飲み方ならば)飲酒運転になることはないので、大丈夫そうです。

ただ、もし心配ならば、錠剤タイプの栄養剤にも元気がでるものがありますので、運転の予定があるときには栄養ドリンクではなく、錠剤タイプの栄養剤を利用するのも手かもしれません(下記は、毎日だるおもな私が愛用している製品です)。




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