花粉症の季節になると、ドラッグストアの店頭には「花粉症」特設コーナーが出現します。
ズラッと並ぶたくさんの目薬を見て、いったいどれを選んだらいいの? と迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
今回は、店頭で目薬選びに迷ってしまったときに、思い出していただきたい簡単なポイントについて書いてみました(簡単すぎてがっかりしてしまうかも・・・)。
市販の花粉症目薬に含まれる成分
花粉やハウスダストなどによる、アレルギーを和らげる目薬とうたわれている製品には、主に次のような成分が含まれています。抗アレルギー成分
市販薬に含まれる成分:クロモグリク酸ナトリウムアレルギー症状を引き起こす化学伝達物質(ヒスタミンなど)の放出を抑え、症状の悪化を防ぐ。
医療用医薬品「インタール点眼液2%」に含まれる。
市販薬に含まれる成分:ケトチフェンフマル酸塩
アレルギー症状を引き起こす化学伝達物質(ヒスタミンなど)の放出を抑え、症状の悪化を防ぐ。さらに抗ヒスタミン作用、抗炎症作用を持つため、アレルギーの発症から悪化までのメカニズムに作用する。
医療用医薬品「ザジテン点眼液0.05%」に含まれる。
市販薬に含まれる成分:トラニラスト
アレルギー症状を引き起こす化学伝達物質(ヒスタミンなど)の放出を抑え、症状の悪化を防ぐ。
医療用医薬品「リザベン点眼液0.5%」に含まれる。
抗ヒスタミン成分
市販薬に含まれる成分:クロルフェニラミンマレイン酸塩放出されたヒスタミンが受容体に結合するのをブロックし、目のかゆみなどのアレルギー症状をしずめる。
抗炎症成分
市販薬に含まれる成分:プラノプロフェン炎症の原因物質プロスタグランジンの生成を抑えることにより、目の炎症をしずめ、アレルギー症状の悪化を緩和する。非ステロイド。
医療用医薬品「ニフラン点眼液0.1%」に含まれる。
角膜保護成分
市販薬に含まれる成分:コンドロイチン硫酸エステルナトリウムアレルギーによる目の炎症症状で傷ついた角膜を保護する。
医療用医薬品「アイドロイチン点眼液1%/3%」に含まれる。
清涼感成分
市販薬に含まれる成分(添加物として):l-メントール、d-カンフル清涼感を与えることで、かゆみなどのアレルギー症状を緩和する。
市販の花粉症目薬を選ぶ簡単なポイント
症状別、求めるのはどの成分か?
抗ヒスタミン成分、抗アレルギー成分ともに、かゆみなどのアレルギー症状を和らげますが、抗ヒスタミン成分が一般用の目薬にも多く含まれている成分であるのに対し、抗アレルギー成分は、アレルギー用目薬に特徴的に含まれる成分です。花粉症の対策としてアレルギー用目薬をお求めなら、せっかくなら抗アレルギー成分が含まれるものを選んでいただきたいです。抗アレルギー成分が入っている目薬の場合、①花粉など季節性のアレルギー症状に用いる場合は、花粉が飛び始める1~2週間前から、または②花粉が飛び始めて症状が出始めたら、症状が軽い早めの時期から使い始めると、症状が軽く済むといわれています。ですので、まだ症状が出ていない、もしくは軽いうちから使い始めて、症状の悪化を防ぎたい方は、抗アレルギー成分の入っている製品を選ぶことをおすすめします。
すでにつらい症状が出てしまっている方の場合、とくに充血や、ゴロゴロとした異物感、涙目など炎症症状のある方は、抗炎症成分の入っている製品がおすすめです。
清涼感成分については、お好みがあるかと思いますが、かかずにはいられないほどのかゆみのある方は、清涼感成分があることで、一時的にかゆみをまぎらわせることができるかもしれません。ただ、刺激がありますので、炎症症状の強い方はさけたほうがいいかと思います。
自分の症状に合った目薬の選び方。簡単なポイントとは
店頭で着目してほしいポイントとは、ずばり値段です。単純すぎてがっかりされた方もいらっしゃるかもしれませんが、アレルギー用目薬の値段はひとつの目安になります。
アレルギー用目薬の値段は、本記事を書いている2019年3月現在、主に次の3つの価格帯に分かれます。
①1500~2000円
②1000~1500円
③500円前後
これはあくまで目安であって、プライベートブランド品など例外もあるかと思いますが、各価格帯ごとの特徴は次のようになっています。
1500~2000円
抗アレルギー成分、抗ヒスタミン成分、抗炎症成分、角膜保護成分をすべて含みます。各有効成分すべてが、「ここまで入れていいですよ」と承認された最大濃度配合されています(とくに抗ヒスタミン成分、角膜保護成分の濃度に、下位価格帯とのちがいあり)。例:ロートアルガードクリアブロックZ
1000~1500円
抗アレルギー成分のみ、もしくは抗アレルギー成分、抗ヒスタミン成分、抗炎症成分を含みますが、抗ヒスタミン成分の濃度が、上記1500~2000円の価格帯の半分になっています。例:ロートアルガードクリアブロックEXa
500円前後
抗アレルギー成分を含みません。アレルギー症状を和らげるメインは抗ヒスタミン成分。抗炎症成分として、プラノプロフェンよりも穏やかなものが配合されています。一応アレルギー用の目薬とされていますが、一般用目薬とほぼ変わりません。その分、お値段も手頃です。例:ロートアルガード
個人的におすすめな花粉症目薬
個人的には、真ん中の価格帯「1000~1500円」ランクのアレルギー用目薬がおすすめです。私自身、毎年この価格帯の製品を購入しているのですが、効果は十分だと感じているからです。抗ヒスタミン成分を倍にするために数百円かけるのはちょっと・・・と個人的には思うのですが、とにかく症状がつらくてなんとかしたいという方は、1500~2000円価格帯を選ぶといいかと思います。
1000~1500円価格帯の商品例:
- エージーアイズアレルカットC
- エージーアイズアレルカットS
- ロートアルガードクリアブロックEXa
- ロートアルガードクリアマイルドEXa
- マイティアアルピタット
- マイティアアルピタットN
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