痛み止めの「イブ」って授乳中に飲んでも大丈夫?

2018/11/13

授乳 熱・痛み

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「イブ」といえば、頭が痛いときなどに使う解熱鎮痛薬として、有名なお薬ですよね。今回は、授乳中だという女性の方から、イブを飲んでも大丈夫か、と相談を受けたときのお話です。



「イブ」に含まれる成分とは?


「イブ」とはエスエス製薬から発売されている解熱鎮痛薬で、現在6種類のシリーズが販売されています。
それぞれ、次のような成分を含んでいます(成分量は1回量あたり)。

イブ

  • イブプロフェン 150mg

イブメルト

  • イブプロフェン 200mg
口の中でサッと溶けるタイプの錠剤。レモンライム味。

イブA錠

  • イブプロフェン 150mg
  • アリルイソプロピルアセチル尿素 60mg
  • 無水カフェイン 80mg
イブプロフェンの解熱鎮痛効果を高めるアリルイソプロピルアセチル尿素、無水カフェインを配合。

イブA錠EX

  • イブプロフェン 200mg
  • アリルイソプロピルアセチル尿素 60mg
  • 無水カフェイン 80mg
イブA錠に比べて、イブプロフェン200mgに増量。

 イブクイック頭痛薬

  • イブプロフェン 150mg
  • 酸化マグネシウム 100mg
  • アリルイソプロピルアセチル尿素 60mg
  • 無水カフェイン 80mg
イブプロフェンの解熱鎮痛効果を高めるアリルイソプロピルアセチル尿素、無水カフェインを配合。さらに、胃粘膜を保護するとともに、イブプロフェンの吸収を促進する成分、酸化マグネシウムを配合。

イブクイック頭痛薬DX

  • イブプロフェン 200mg
  • 酸化マグネシウム 100mg
  • アリルイソプロピルアセチル尿素 60mg
  • 無水カフェイン 80mg
イブクイック頭痛薬に比べて、イブプロフェン200mgに増量。



授乳中に注意が必要な成分とは?


では、それぞれの成分についてみていきましょう。

「イブ」シリーズすべてに共通する成分は、解熱鎮痛成分である「イブプロフェン」ですね。こちらが、1回あたり150mgの製品と、200mgの製品があります。また、それぞれについて、イブプロフェンのはたらきを高める成分が追加されていたり、効きを早める成分が追加されていたりする製品があります。

「イブ」シリーズいずれの製品も、添付文書の「相談すること」の欄には、「授乳中の人」の記載があります。これは、「OTC医薬品 使用上の注意ガイドブック」によれば、「安息香酸ナトリウムカフェイン,カフェイン又は無水カフェインをカフェインとして1回分量100mg以上を含有する製剤又はイブプロフェンを含有する製剤に記載。」されているようです。

「イブ」シリーズにはイブプロフェンが含まれていますので、これに当てはまり、授乳中の人は相談するように記載があるのですね。実際、イブプロフェンは母乳中に出てはきますが、その量はごくわずかであるため、赤ちゃんへの影響は少ないと考えられます。また、授乳中のお母さんがとるカフェインの影響で、赤ちゃんが興奮したり、眠れなくなったりすることもありますが、痛いときだけ飲むていどであれば、やはり影響は少ないと考えられます。



授乳中に「イブ」を飲んでも大丈夫なの?


「イブ」に含まれる成分は、母乳中に出てはきますが、その量はわずかであるため、影響は少ないと考えられます。なので、授乳中に飲むことはできると思いますが、気にされる方は、授乳の直前または直後に「イブ」を飲むようにしたり、「イブ」シリーズのなかでもカフェインなど複数の成分を含まないシンプルなものを選ぶと、より赤ちゃんへの影響は少なくなります。

念のため、「イブ」を販売しているメーカー、エスエス製薬に問い合わせてみたところ、

  • おすすめはしていないが、授乳中に「イブ」シリーズを飲むことはできる。
  • 次の授乳まで、24時間あけていただくように伝えている。搾乳の必要はない。
 とのお返事をいただきましたので、こちらも参考にしていただければと思います。




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