口内炎の薬を探しにドラッグストアに行くと、貼り薬、塗り薬、飲み薬・・・といくつも種類があって、いったいどれを選んだらいいのか迷ってしまいますよね。とくにお子さまが口内炎になってしまった場合、「この成分は小さい子にも使えるのかな?」と不安に思うこともあるのではないかと思います。
実際、店頭でもそのような相談をよく受けますので、今回はとくにお子さまが口内炎になった場合の薬の選び方についてまとめてみたいと思います。
口内炎の薬にはどんなものがあるのか?
口内炎の薬は、まずは形のちがいとして、主に次の3タイプに分けることができます。
①貼り薬
②塗り薬
③飲み薬
(スプレータイプの薬にも効能・効果に口内炎の記載がありますが、店頭であえてスプレータイプを選んでいかれる方は少ないので、今回は割愛しました)
また、それぞれのタイプごとに含まれる成分のちがいがあります。
口内炎というのは、字のとおり「口」のなかの「炎症」なので、薬には炎症を和らげる成分がメインとして入っています。そのほか、殺菌成分や傷の治りを早める成分などが配合されている場合があります。炎症を和らげる成分は大きく、
- ステロイド
- ステロイドではないもの
に分けることができますので、これらも選ぶ際の基準となります。
具体的な商品を見ながら、選び方を考えましょう
①貼り薬
ステロイド入りのものが大半ですが、なかにはステロイドの入っていない製品もあります。どちらにしても、貼り薬は【5歳以上】という年齢制限が設けられていますので、5歳未満のお子さまに使う薬を探す場合には、選択肢からはずれてしまいます。成分のちがいに関しては、ステロイド入りのほうが効果は高いので、歯科から口内炎の処方として見られるのはステロイド入りがほとんどです。ただ、ステロイドの副作用として感染症を悪化させてしまう恐れがあるため、感染性の口内炎が疑われる場合や、口のなかに感染をともなっている場合には、ステロイドを使うことができません。
参考:選び方
- 効果重視 → ステロイド入り
- 口の中に感染あり・副作用が心配 → ステロイドなし
ステロイド入り:アフタッチA/佐藤製薬
ステロイドなし:口内炎パッチ大正A/大正製薬
②塗り薬
塗り薬は5歳未満のお子さまに使える製品も多く存在し、成分のバリエーションも貼り薬に比べ豊富でした。成分に関しては、貼り薬と同じように大きくステロイド入りか、なしかに分けられます。特徴的なものとして局所麻酔成分を含む製品がありますが、そちらは【5歳以上】の年齢制限があります。
参考:選び方
- 効果重視 → ステロイド入り
- 口の中に感染あり・副作用が心配 → ステロイドなし
- 痛みが強い → 局所麻酔成分入り(年齢制限あり)
ステロイド入り:デンタルピルクリーム/万協製薬
※こちらはステロイド入りですが、殺菌成分も配合されているので、感染をともなう場合の使用はとくに禁止されていないようです。
ステロイドなし:デンタルクリーム/森下仁丹
ステロイドなし:サトウ口内軟膏/佐藤製薬
※ほぼ同じ成分で、+アラントイン(組織修復作用あり)の構成となっている製品「トラフル軟膏/第一三共ヘルスケア」は、メーカー回答では年齢制限なしでした。
※やや似てますが、セチルピリジニウム塩化物水和物+アラントインのみの、よりシンプルな構成となっている製品「口内炎軟膏大正A/大正製薬」は、メーカー回答では年齢制限なし(目安1歳~)とのことでした。
ステロイドなし:レビオ/大正製薬
※2017年4月にメーカーに問合せた際には、「はちみつを含みますが、ボツリヌス菌を含めた菌を除菌したはちみつを用いているため、赤ちゃん(2ヶ月~)にも使える」とのことでした。しかし、2017年6月に添付文書が改正され、年齢制限1歳以上となったようです。
成分としては年齢制限なしでも、製品によっては実際に使用する場合の「目安年齢」を定めているところもありました。
というのも、口のなかのことなので、赤ちゃんや小さいお子さんだとうまく痛みを伝えられなかったり、薬を上手に使えなかったりすることもあるからです。そのため、自分で口内炎の痛みや違和感を意思表示できる年齢だったり、(口のなかにつける薬ということで違和感を感じて取ってしまう場合もあるようなので)薬を取ってはいけないということを言い聞かせてわかってくれる年齢を基準に定めているとのことでした。
③飲み薬
形のちがいとして、錠剤、粉薬、シロップなどがあります。市販薬の場合、錠剤は年齢制限があり、5歳以上となりますので、5歳未満のお子さまには選択肢からはずれます。
成分のちがいとしては、
①ビタミン剤(口内炎の治りを早めるといわれるビタミンB2、B6を含むもの)例:チョコラ
②ビタミン剤+トラネキサム酸(炎症を抑える成分)例:トラフル錠
③漢方薬
などがあります。
確認したかぎりでは、②のタイプは錠剤しかなく、成分としても7歳以上の年齢制限あり。漢方薬は錠剤・粉薬どちらのタイプもあり、小さなお子さまから飲むことができますが、体質によって適切な製品が異なりますので、具体的な商品名の紹介は割愛させていただきます。というわけで、ここでは①のビタミン剤1製品のみ紹介させていただきます。
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